履歴書の性別欄は空欄でいい? 任意になった根拠と様式別の対応

厚生労働省履歴書様式例の性別欄は記載が任意で、書かずに空欄のまま出せます。厚生労働省は企業に、未記載を理由に採否を決めないよう求めています。

結論:厚生労働省の様式例なら、性別欄は空欄のまま出せます

厚生労働省が示す「厚生労働省履歴書様式例」では、性別欄の見出しが「※性別」です。様式例のPDF(A4版)の1ページ目の下には、次の注記があります。

「※「性別」欄:記載は任意です。未記載とすることも可能です。」

厚生労働省は、企業向けの解説リーフレット「新たな履歴書の様式例の作成について」で、次のように求めています。「性別欄の記載内容や、未記載であることで採否を決めることはないようお願いします。」

なぜ任意になったのですか?

同じリーフレットは、理由を「性自認の多様な在り方に対応するため、〔男・女〕の選択ではなく任意記載欄としました」と説明しています。経緯は次のとおりです。

  1. 2020年7月、日本規格協会が履歴書の様式例を削除しました(解説リーフレット)。これは、JIS Z 8303「帳票の設計基準」の解説に参考として載っていたものです。規格そのもの(JIS Z 8303:2008)は今も有効で、なくなったのは解説の履歴書の様式例だけです。日本規格協会は、削除の理由を規格ページの「改訂に関する説明」で述べています。公務員試験や高校入試で性別欄をなくす動きが広がるなか、載せ続けると「JIS で規定されている,何らかの方向付けをしているなどの誤解を招きかねない」からです。
  2. 2021年(令和3年)4月16日、厚生労働省(職業安定局雇用開発企画課就労支援室)が様式例を公表しました(島根労働局掲載の報道発表資料)。同日の労働政策審議会職業安定分科会にも報告されています。

変わったのは性別欄だけではありません。「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4つの欄は、設けないことになりました(報道発表資料)。様式例の全体像は、厚生労働省の様式例とはの記事にまとめています。

法律で禁じられていること・いないこと

性別欄に関係する法令・指針と、厚生労働省が企業に求めていること
区分内容根拠
禁じられていること募集・採用で、性別によって機会に差をつけること。指針は「募集又は採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること」などを例に挙げています。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)第5条、指針(平成18年厚生労働省告示第614号)
禁じられていること「人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項」「思想及び信条」「労働組合への加入状況」を集めること(原則)。指針は、特別な職業上の必要性があるなど業務の目的の達成に必要不可欠で、収集目的を示して本人から集める場合を例外にしています。職業安定法第5条の5、指針(平成11年労働省告示第141号)
禁じられていないこと上の収集してはならない事項に、性別は含まれていません。性別を尋ねること自体を禁じる法令は、確認した範囲では見当たりません。上の行と同じ
厚生労働省が企業に求めていること性別欄の記載内容や未記載で採否を決めないこと。確認が必要な場合は、理由を説明し、本人の十分な納得のうえで行い、「性別の回答を強要することのないよう」にすること。例は、坑内業務の一部など制度上の制限、男女の応募者数の把握、女性が相当程度少ない会社での女性の積極的な採用です。解説リーフレット

職業安定法第5条の5(2022年10月1日の改正前は第5条の4)は、求人者や募集を行う者にも適用されます。業務の目的に必要な範囲で個人情報を集めるよう定めた条文で、2022年10月1日からは収集の目的を明らかにすることも求められています。

空欄にすると、企業にどう見られますか?

  • 事業主向けパンフレット「公正な採用選考をめざして」は、面接で望ましくない質問の例も挙げています。その1つが「性別欄に何も記載がないけれど、どうしてですか?」です。
  • 厚生労働省の委託調査「令和6年度 職場におけるダイバーシティ調査・推進事業 報告書」があります。回答企業2,442社のうち36.5%が、「採用選考において履歴書等の性別の記入を任意にしている」と答えています。正社員に適用される制度についての回答です。
  • ハローワークの紙の求職申込書も、性別欄は「本人の希望により無記入でも登録できます」とされています。
  • 一方、空欄にした応募者が不利になったかを示す公的なデータは、確認した範囲では見当たりません。

様式によって対応は変わりますか?

様式例は企業向けに「参考として示したもの」(解説リーフレット)で、審議会資料でも「法的拘束力はない」と説明されています。厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、新規学卒者以外の求職者には様式例を用いるよう案内しています。企業が独自の応募用紙を使うときは、「適性と能力に関係のない事項を含めない」よう求めています。

JIS様式の履歴書を使うことを禁じる決まりは、確認した範囲では見当たりません。ハローワークの応募書類パンフレットも、使わないよう勧めているのは「保護者」欄のある履歴書(JIS規格の履歴書の旧版など)だけです。応募先の指定があれば、それに従うのが一般的です。同じパンフレットも、指定された様式に従うよう案内しています。

履歴書の様式ごとの、性別欄の扱い
様式性別欄の形公的な資料から言えること
厚生労働省の様式例「※性別」の記述欄空欄のまま提出できます(上の注記)。
旧JIS様式例にならった市販の履歴書旧JIS様式例では「男・女」を○で囲む形旧JIS様式例の記入上の注意は「※印のところは、該当するものを○で囲む」でした(審議会資料の別紙)。○をつけずに出した場合の扱いは、確認した範囲では、公的資料に書かれていません。空欄で出したいときは、応募先の指定がなければ、様式例を使う方法があります。
企業指定の様式・Webの応募フォームが男女二択応募先ごとに異なるこの場合の対応を示した公的なQ&Aは、確認した範囲では見当たりません。
新規高卒の全国高等学校統一応募用紙欄そのものがない令和7年2月の改訂で、履歴書の性別欄が削除されました。令和7年度(令和8年3月卒業者)から適用されています。

企業指定の様式やフォームが二択のときも、出発点は上の表の「厚生労働省が企業に求めていること」です。あくまで一般的な考え方ですが、応募先の指定があればそれに従うのが通常です。空欄のまま送れないときは、応募先に確認する方法もあります。

書く場合は、どう書けばよいですか?

解説リーフレットによると、応募者が記載したい内容で記載でき、記載を希望しない場合は未記載とすることもできます。ただし、確認した範囲では、公的資料に表記の例はほとんどなく、決まった書き方を示したものも見当たりません。確認できたのは、岡山労働局が掲載するリーフレットの記入例に「女」と一語で書いたものだけです。

このサイトで作るとどうなりますか?

job-docsの履歴書メーカーは、公式PDFから罫線と見出しの位置を写した様式で、A4 2枚またはA3 1枚のPDFを作ります。性別欄は「記載しない」が初期値で、そのまま空欄で印字されます。「男」「女」「自由に書く」からも選べます。写真は、入れても入れなくても作れます。登録なしで使え、書いた内容はお使いのスマホやパソコンの中だけで扱います。

ここに書いたのは公的な資料にもとづく一般的な説明で、個別の事情についての法的な助言ではありません。

出典

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厚生労働省の様式例どおりの履歴書を、登録なしでPDFにできます。書いた名前や住所は、お使いのスマホやパソコンの中だけで扱い、運営者にも見えません。

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