厚生労働省の履歴書様式例とは? JIS規格の履歴書との違い

厚生労働省履歴書様式例は、2021年4月16日に厚生労働省が公表した履歴書のひな形です。JIS規格の様式例との違いは、性別欄が任意記載になったことと、通勤時間など4つの欄がなくなったことです。

様式例とは何か:いつ、誰が、何のために作ったのか

2021年(令和3年)4月16日に厚生労働省(職業安定局雇用開発企画課就労支援室)が報道発表(島根労働局に掲載)しました。同じ日の労働政策審議会職業安定分科会にも報告されています。目的は「公正な採用選考を確保するため」です(審議会の資料)。

日本規格協会は、JIS Z 8303「帳票の設計基準」の解説に、参考として履歴書の様式例を載せていました。厚生労働省はそれまで、この様式例の使用を推奨していました。2020年(令和2年)7月、日本規格協会がこの様式例を解説から削除しました。そこで厚生労働省が様式例を作りました(厚生労働省リーフレット「新たな履歴書の様式例の作成について」)。

JIS Z 8303という規格そのものがなくなったわけではありません。規格本体のJIS Z 8303:2008は今も有効で、削除されたのは解説の様式例だけです。日本規格協会は、削除の理由を次のように説明しています。公務員試験や高校入試で性別欄をなくす動きが広がるなか、載せ続けると「JISで規定されている」と誤解されかねないためです。

JIS規格の様式例と何が違う? 対照表で確認

厚生労働省が主な変更点として説明しているのは2つです。性別欄が「男・女」の選択ではなく、任意記載(未記載も可)になったこと。「通勤時間」「扶養家族数(配偶者を除く)」「配偶者」「配偶者の扶養義務」の4つの欄がなくなったことです。氏名や学歴・職歴などの欄はそのままです。リーフレットの本文は、変更点としてこの2つを挙げています。別添の新旧比較図(審議会資料の別紙も同じ)では、欄外の「記入上の注意」も含めた3か所に印が付いています。欄ごとに見比べた結果が、次の表です。

JIS規格の様式例と厚生労働省の様式例の違い
項目JIS規格の様式例厚生労働省の様式例
性別「※男・女」の該当するほうを○で囲む「※性別」の記入欄。任意記載欄で、未記載も可
通勤時間あり(約 時間 分)なし
扶養家族数(配偶者を除く)あり( 人)なし
配偶者あり(※有・無)なし
配偶者の扶養義務あり(※有・無)なし
写真欄の寸法の表記「縦36〜40mm 横24〜30mm」と印字「縦」「横」の文字だけで、数字はなし
欄外の「記入上の注意」あり(筆記具の指定など3項目)なし(同じ位置に性別欄の注記)
それ以外の欄氏名・ふりがな・生年月日・現住所・連絡先・学歴・職歴・免許・資格・志望の動機など・本人希望記入欄同じ

家族状況などの項目が省かれた分、志望の動機などを書く欄がやや広くなっています(青森労働局「履歴書の書き方」)。

写真欄の寸法の数字がなくなった点は、どちらの資料でも変更点として説明されていません。新旧の図を見比べると分かる、様式上の違いです。

厚生労働省は、4つの欄を「特に応募者のプライバシーの要素が非常に高い情報」だとして設けませんでした(リーフレット)。

性別欄は空欄でいい?

様式例では、空欄のままでよいとされています。欄外には「※「性別」欄:記載は任意です。未記載とすることも可能です。」と印字されています(様式例PDF(A4版))。欄そのものは残っています。理由は「性自認の多様な在り方に対応するため」です(リーフレット)。応募者が記載を希望しない場合は未記載になり得る、とリーフレットは企業に伝えています。

なお、新規高卒者向けの全国高等学校統一応募用紙は、令和7年2月の見直しで性別欄そのものが削除されました(令和7年度卒業予定者から。高等学校就職問題検討会議の資料)。厚生労働省の様式例は欄を残して任意なので、別の扱いです。

職業安定法第5条の5は、目的を明らかにし、業務に必要な範囲で個人情報を集めるよう定めています。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)第5条は、募集・採用で性別にかかわりなく均等な機会を与えるよう定めています。性別を尋ねること自体を禁じる法令は、確認した範囲では見当たりません。書き方や、応募先の様式が男女二択のときの考え方は、履歴書の性別欄の書き方にまとめています。

厚生労働省の様式例を使わないとだめ?

厚生労働省は様式例を「参考」として示しており、使う義務を定めた決まりは見当たりません。審議会の資料には「法的拘束力はない。そのため、当該様式の使用は個別の企業が判断可能」とあります。リーフレットも、企業は様式例以外の履歴書やエントリーシートを用いることもできる、としています。

そのうえで厚生労働省は、新規学卒者以外の求職者には様式例を用いるよう案内しています。企業が独自の応募用紙を使うときは「適性と能力に関係のない事項を含めない」よう求めています(公正な採用選考の基本)。

公的に様式が定められている応募書類は、確認した範囲では、新規高卒・中卒予定者向けの全国統一の応募用紙のほかに見当たりません。根拠は職業安定法第5条の5に関する指針(平成11年労働省告示第141号)です(採用選考自主点検資料)。

応募先から様式を指定されたときは?

指定に従うのが一般的です。ハローワークのパンフレット「応募書類の作り方 1 履歴書」は「応募先から指定されているときはその様式に従いましょう」としています。厚生労働省の求職者向けリーフレットも、企業が様式を指定している場合があると注意しています。

JIS規格の市販の履歴書を使ってもいい?

JIS規格の様式の履歴書を使うことを禁じる決まりは、確認した範囲では見当たりません。ハローワークの同じパンフレットは、厚生労働省の様式例を求職活動に活用するよう勧めています。また、「保護者」欄のある履歴書(JIS規格の履歴書の旧版など)は使わないように、と注意しています。

用紙サイズ・写真・配布ファイルは?

  • 用紙:A4なら縦2枚、A3なら横1枚です(A4版PDF・A3版PDF)。
  • 写真:写真欄には「写真をはる必要がある場合」として「1. 縦 横」「2. 本人単身胸から上」「3. 裏面のりづけ」の3項目が並びますが、縦・横の寸法の数字は印字されていません。厚生労働省は、写真は従来から「必要がある場合」に貼るものと説明しています。貼付がないことだけで採否を決めないよう、企業にも求めています(公正な採用選考をめざして)。大きさの目安は、ハローワークの「応募書類の作り方」(全体版)の記載例にある「縦36〜40mm 横24〜30mm」です。同じパンフレットでは、撮影時期も「概ね6か月以内」とされています。
  • 配布ファイル:厚生労働省のページにあるのは、PDF(A4版・A3版)とExcel(A4版・A3版)です。Word版は配布されていません(2026年10月時点)。
  • 公表後の変更:2026年10月時点で見比べた範囲では、公開中のPDF(A4版・A3版)と公表時の別添に、欄や文言の違いは見当たりません。

このサイト(job-docs)での扱い

job-docsの履歴書メーカーは、厚生労働省の様式例の公式PDFから罫線と見出しの位置を写した様式です。A4 2枚またはA3 1枚のPDFを作ります。性別欄は「記載しない」が初期値で、そのまま空欄で印字されます。「男」「女」「自由に書く」からも選べます。写真は、入れても入れなくても作れます。登録は不要で、書いた内容はお使いのスマホやパソコンの中だけで扱います。

ここに書いたのは公的な資料にもとづく一般的な説明で、個別の事情についての法的な助言ではありません。資料は変わることがあるので、提出前に出典を確かめてください。

出典

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